転職 お金 人間関係と 日本の伝統

人材業界20年の経験を元に 転職や職場環境、評価アップ、スキルアップ、人間関係の改善や対策に触れて行きます。また 日本の古典や伝統的価値観を交えて語って行きます。更には経済学で言う新自由主義が諸悪の根源と考えており、その方向からも述べます。なお政治的には中立で主義主張はありません。

ねずさんの古事記 書評

読んだ本の紹介をしたいと思います。

ねずさんの古事記を読みました。

 

 

他の古事記解説はこれまでに何度か読んだことがあり、特に竹田恒泰氏の現代語古事記は深い感銘がありました。


竹田氏以上の解説があるのか、もしくは
新しい解釈があるのかと半ば、期待していない面もあったのですが、実際に読んでみると素晴らしく驚きの1冊でした。

まだ全3巻のうち最初の1巻を読んだだけですが、残りの2巻もすぐにでも読んでしまいたいと思えるほど、楽しく読むことができました。

特にこの本での特筆すべきところが2カ所ありました。

 

1つ目が、イザナギイザナミまでの17柱の創成の神々について。後世の聖徳太子の17条憲法がそのまま神様のお名前を受け継いでいると言う解釈。
初めて目にした解釈ですが、非常に説得力があって、面白く、歴史の深さを感じることのできる解説でした。

 

2つ目が、黄泉の国の場所やイザナミの腐乱した姿への違和感。
古事記の示す場所は、現在の地名に残っていることが多くあるのですが、黄泉の国の場所だけはその候補地からして謎だらけでした。今回の解説はあくまで根津先生の個人的解釈であるとしていますが、全てがすーっと通る位、理論的かつ楽しい解説でした。


古代朝鮮半島にあった穢国とした場合、イザナミが帰って来れない意味や、辱をかいたと言う解釈、桃の実の意味、百済など 全てがつながる、説得力のある新解説でした。

 

 


そしてこれまで通りの解釈であるものの、
僕が好きで好きでたまらないイザナギイザナミの件。

 

われなりなりてなりあまる
われなりなりてなりたらず


神様であるにもかかわらず、そして成長して立派な大人になったにもかかわらず、
余分なもの持ってしまった、もしくは、必要なものを持てなかった、だからお互いに協力して、国作りをやっていきましょう、

という件です。キリスト教イスラム教の唯一絶対神では絶対にありえない不完全な神様です。

足らないところをお互いに協力し合う、和の精神がとても凝縮していて、読むたびに考えさせられる件です。日本文化の伝統が真ん中に持っていない人は、ぜひとも参考にしていただきたいものです。

 

 

今日はいつも苦労かけている嫁さんに、おいしいものでも食べに連れて行ってあげようかと思いました。