日本的英雄とアメリカンヒーローの大きな違い【古事記を読もう】

頼りないヒーローばかり

アメリカンヒーローは ポパイにしてもスーパーマン、ランボーにしても

最初から唯一絶対のヒーローですが、

日本のヒーローは どちらかと言うと弱いし、組織行動です。

赤穂浪士や坂本龍馬は浪人で何の後ろ盾もないし、

ドラゴンボールの孫悟空も最初は弱かったし、

スラムダンクの花道はヘタくそです。

我々日本人の心に響くのは、絶対的に強い個人の力よりも仲間の友情であったり、

弱い主人公が強くなっていき、偉業を成し遂げるストーリーです。

これは欧米人とは異なる日本人の国民性なんでしょう。

言い換えれば、

欧米人は 強いものに 惹かれ

日本人は 弱くても 皆で偉業を成し遂げたり、強くなっていく過程に惹かれる。

この国民性の違いはなんでしょうか。

どこが二つの文化の起源かと考えた場合、

神話を読むのが最も賢明かと思います。

日本神話【古事記】で初めての男女神であるイザナギ・イザナミが

お互いに語りあうシーンがすっごく好きなのですが、

　　われ なりなりて なり余る

　　われ なりなりて なり足らず

　　　（私は成長して大人になったが 余分なものを持ってしまった

　　　　私は成長して大人になったが 不足したまま成長してしまった）

互いに不完全ではあるが　補いあって夫婦になろうという

有名なくだりです。（注：別の読み方もありますが　ここでは敢えて触れません）

西洋の神様が最初から全知全能なのに対し、最初から不完全さを認めている点が

日本らしさで、互いに協力していこうとする姿勢に惹かれます。

そして、その息子であるスサノオは凄い暴れん坊で

更にその姉の最高神アマテラスに至ってはスサノオの暴れぶりにすねるように

天岩戸に引き籠ってしまいます。

全知全能とはほど遠い、本当に幼く不完全な神なのです。

そして物語の進展とともにスサノオもアマテラスも立派な

大神になっていくという有名なストーリーです。

日本最古の物語で、我々のＤＮＡの起源とも言える内容がこのように

不完全なところから 高みに上がるという文化である事は本当に日本的であり

キリスト教やイスラム教などの絶対神の一神教ではありえないことで素晴らしく思います。

またこれは、キリスト教文明が他文化を認めないところにも見てとれます。

大航海時代には アジア・アフリカ人をキリスト教徒でなければ

人間ではないという教義のもと 植民地支配、奴隷制度を設けました。

また 現在のイスラムとの確執は多神教の我々には理解できないものがあります。

一方、日本には八百万（やおよろず）の神様がいます。

ホントにそこらじゅう神様だらけです。

石ころにも草木にも茶碗にも飯粒にも神様がいますので、敬い　大切に、感謝して

過ごしていきます

我々日本人はこうした 相互協力という素晴らしいＤＮＡを有している事を誇りに思いましょう。

しかし、現在は 個性が大事だとか 競争だとか　稼いだ者勝ちだとか　金が全てだとか

中途半端の西洋文明に毒されています。

多くの方が古事記を読み、日本の素晴らしさに気付く事を強く希望します。