転職 お金 人間関係と 日本の伝統

人材業界20年の経験を元に 転職や職場環境、評価アップ、スキルアップ、人間関係の改善や対策に触れて行きます。また 日本の古典や伝統的価値観を交えて語って行きます。更には経済学で言う新自由主義が諸悪の根源と考えており、その方向からも述べます。なお政治的には中立で主義主張はありません。

日本的組織のお手本は 日本神話にあるという話

去年の夏 出雲に家族旅行に行ってきました。

別に縁結びを祈りに行ったのではなく、私の好きな日本文化から、

最近 古事記にはまり、八百万の神々の舞台を訪ねたいという思いからでした。

 

古事記の好きなシーンの一つが大国主の国譲りです。

戦闘を経ずして国を譲り、また譲った大国主は天に届くような立派な

出雲大社を作ってもらうという物語は、

争いを嫌う日本人の国民性を表しており、また十七条憲法や、大政奉還による明治維新にも見てとれます。

 

 

さて 天照大神を筆頭にする高天原から、武門の神様である建御雷神(タケミカヅチノカミ)

が使いに来られ 国譲りを迫ったとされる伊耶佐(いざさ)小浜(おはま)が

その時の最大の目的地でした。

 

 


建御雷神が言うに

 天照大御神の命もちての使せり。

汝(な)が領(うしは)ける葦原の中つ国に、

我(あ)が御子の知らさむ国と言よさしたまへり。

かれ汝が心いかに。

 

とあります。

明確な対比が、

1 大国主が領(うしは)ける国

2 我(あ)が御子の知らさむ国

「知らさむ国」の「知らさむ」が、「シラス」です。

特定の権威のもとに、みんなが集い、そこで情報を共有化して、みんなで、何事かを行う。

これが「シラス」における統治手法です。

 

この二つがどのように違うかというと、たとえば新田の開墾工事を行うとします。

そのとき、主君の命令によって、民衆を強制的に使役して田を開き、

開いた田は主君のものとする。

ひとりひとりの民衆は、自分が何のために狩り出され、そこで労働をしているのか、

まったくわかりません。

ただ、剣を突きつけられ、ムチでしばかれるから、そこで働いています。

これが「ウシハク」による統治です。

 

これに対して「シラス」は、まずはみんなで「新田を開墾しよう」という

問題意識を共有化します。

それぞれがどこを担当するかみんなで話し合って決め、決まった事をみんなで一致団結し、

協力し共同して、これを実現します。

大国主神は、この違いの意味を悟ったからこそ、なるほどと納得し、国譲りを行いました。

そして、理解を示した大国主神を、高天原の人々は尊び、大国主のために天にも届く壮大な

神殿を建てて、その功績を讃えたのです。

 

要するに、世界中が19世紀までずっと「うしはく」という統治形態しか知らなかった

世界にあって、唯一日本では、はるか太古の昔から「シラス」国を築いて来たし、

それが天照大神(あまてらすおおみかみ)様の御心であるということなのです。

 

 

【ねずさんブログ参照 http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2161.html